DOMESTIC INDUSTRY
GARAGE TSUBAKII
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ハイゼットトラックFバンパー修理
家族みんなのお車を、いつもご利用いただいているお客様の軽トラックの
Fバンパー 割れの修理です。
冬の寒いとき、雪の壁にぶつけたら割れてしまったそうです。
同じ衝撃でも夏だったら割れずに済んだと思われます。
お客様は交換でも修理でも、どちらでも構わないとおっしゃっていたので、
いつもご利用いただいているので、新品バンパーの値段も調べずに
修理を提案しました。
28年 S510P ハイゼットトラック R71
バンパー脱着
割れ修理 (指数適応外です。)
塗装
新品交換よりも安く、なおかつツヤツヤに仕上げるつもりです。
無敵の王者「PP」は接着できない物。 これがスタートです。
その接着できないPPを、いかに接着させるかがポイントだと思います。
手順としては
表の割れた部分を段差が出来ないように、マスキングテープでしっかり押さえる。
割れた部分にU字型の開先を入れる。
脱脂する。
粗いペーパーで丁寧に足付けをする。
切れる新品のペーパーを使って、サンダーの速度を落として、PPが解けないように注意する。
脱脂する。
すぐさまプライマーを塗って自然乾燥で乾くのを待つ。
1っ発PP用の接着剤を網のサイズ+αの面積に塗る。
事前にカットしておいた網を接着剤の中、開先の中にヘラで押し込む。
富士山の裾野のようになだらかに2発目を塗る。
水が侵入しないか注意深く確認する。
後は自然乾燥で固まるのを待ちます。
待つといっても、冬場でも10分程度です。
今回の割れ修理は2回にわけて接着しました。
バンパーの全幅が割れによって広がってしまって寸法が狂っていたのでマスキングテープで
両端を絞っての接着です。
後日、塗装の神様からプライマーについて、おお教えを頂きました。 ←「お」が一つ多い
刷毛塗よりスプレーガンのほうがいい。
薄く塗ったほうがいい。
僕にとっては大変なおお教えでした。 ←「お」が一つ多い
ありがとうございました。
修理屋の僕がまぐれでパテなしで済みました。
PPプライマーを塗って自然乾燥をします。エアブロー程度はしますが熱は極力入れません。
サフを塗装してじんわりと熱を入れます。
焦ってあぶりすぎるとPP母材から油分が出てきて剥がれの原因になります。
サフが硬化したら320番程度で研ぎを入れて、周囲は600番程度の足付けをします。
全体は1500番で足付けです。
サフに熱を入れている間に塗料を配合しておきます。
ここで大問題発生!
原色が2種類ありません!
自動車メーカーの新色に対応する為、塗料メーカーもNew原色で対応します。
この時点で赤字が確定しました。
値段は聞きませんでしたが(怖くて聞けない)
原色2種類+アジテーターカバー1ヶ 買えば約3万円以上するでしょう。
今更新品バンパー交換なんて言えないので仕方なく取り寄せました。
弊社の顧客にはこの原色を使っている車は、絶対に今回の軽トラ以外ありません。
不良在庫確定です。
お金のことを考えていると、全力投球できないので塗装に集中します。
2~3回脱脂してタッククロスで綺麗に拭き上げます。
その後カラーNo R71なのでVS4のノンサンディングサフェを入れます。
320番の目はこれで消えます。(色にもよりますが240番も消えます。)
このやり方が早いと思います。
予想外の部分にサフのミストが飛んでしまいました。
あわててシリコンオフを使ってラインの角までミストを落としました。
これが僕の実力です。
(ミストをわざわざシリコンオフで落とす必要が無いのを、この記事を書いている時に気が付きました)
後日、またまた神様からおお教えを頂きました。 ←「お」が一つ多い
ノンサンは1コートで十分。
染めなくてもいい。
ありがたやー。ありがたやー。
次からはサフの仕上げはダブルアクションの600番にしなくては。(色によっては400番)
あらら。ノンサンの意味が無くなっちゃった。
現在の工程の時のやるべき作業を、次の工程でカバーリングするなと言うことです。
せっかく良いアイデアだと思ってたのに。
クリアー塗装直後ではありません。
指触乾燥後の画像です。
新車より数段つやを出しました。
たかだかクリアー1コート増やしただけで、それほど原価は変わりません。
それよりもお客様に喜んでいただいたほうが数万倍ありがたいです。
僕にとっては想定内です。
お客様には自首しました。
ナンバーで隠れるので無罪判決が出ました。
作業が終了してお客様が取りにいらっしゃたとき、
「来週あたり全面塗装いかがですか?」と本気で提案しましたが、
新車からまだ2年、大切に使っていらっしゃるのでキズ一つありません。
それも同色。
するわけないよな~。
不良在庫どうしよう?